民主党政権に対する“中間評価”の選挙となった参院選。大分県内の比例代表の得票数は、民主、自民の二大政党がともに前回(2007年)参院選より減らす一方で、県内に組織基盤のない「みんなの党」の伸長が目立った。社民党は元大分県議の吉田忠智氏(54)が当選。その効果もあり、07年より約3千票伸ばした。
政権党として初めて国政選挙に臨んだ民主党。「県内比例第1党」の座は守ったが、得票率(28・7%)は07年参院選、09年衆院選で達成した30%台を維持できなかった。小嶋秀行県連幹事長は「消費税増税問題の影響も多少あった」としながらも「雇用や社会保障などの政策を着実に実行すれば戻る」と挽回(ばんかい)を誓う。
自民党は得票数を約3万8千票減らし、与党の「敵失」を十分生かせなかった。岩屋毅県連会長は「党勢は昨年の衆院選後より確実に回復している」と手応えを強調するが、一部の業界団体の離反で組織票が減った影響もうかがえ、立て直しには遠い結果になった。
一方、自民党と協力した公明党は、連立与党として戦った前回に約6千票を上積み。竹中万寿夫県本部代表はその理由を「福祉や医療重視の党独自の政策を打ち出せた」と分析する。
共産党は選挙区の得票は伸びたが、比例は前回より約2千票減。林田澄孝県委員長は「小政党の乱立で二大政党への批判票が分散した」と悔やむ。
2回目の国政選挙を戦ったみんなの党は約4万9千票(得票率8・2%)を集めた。他党からは「第三勢力を求める有権者の票を吸収した」(公明・竹中氏)「消費税増税の反対票をかなり取られた」(共産・林田氏)など勢いを警戒する声が出ている。
社民党は、吉田氏の個人名での得票(約4万6千票)が目標(県内10万票)を大きく下回った。内田淳一県連合代表は吉田氏の当選を喜びながらも「党の存在感が薄れている。将来ビジョンを明確に打ち出す必要がある」と危機感を募らせている。
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