大分選挙区の自民党新人の個人演説会で壇上に並んだ自民、公明両党の幹部。「野党協力」の効力が試されるが…(1日、宇佐市のウサノピア)
急造…効果は不透明
1日夜、宇佐市で開かれた大分選挙区の自民党新人、小田原潔候補(46)の個人演説会。公明党の弘友和夫参院議員(党九州方面議長)は「九州の代表である私が来た意味は全面的にやるということだ」と公明党の支援態勢を強調した。
続いて自民党県連の岩屋毅会長が「野党になった自民にも公明にも力を与えてほしい」と公明党の比例代表候補、秋野公造氏(42)への支援を呼び掛けると拍手がわいた。満席の会場で4分の1程度は公明党側が集めた参加者という。
両党の県組織が実質的な選挙協力の成立を発表したのは公示の6月24日。連立与党時代に協力してきた両党だが、今回は成立までは曲折があった。
公明党本部は3月に他党の候補を推薦しない方針を発表。一方で自民党県連側も公示近くまで「野党同士の協力には大義が必要」(岩屋会長)と慎重だった。「永住外国人への地方参政権付与など政策的な相違が広がっている」(県連幹部)との意見もあった。
だが、最終的には「民主党の参院過半数阻止の大義で一致した」(公明党県本部の竹中万寿夫代表)。協力の裏付けとして「選挙区の支援に応える比例票への上積み」の枠組みが全県で整った。
3区内の自民党市議は公示後、地元の公明党関係者の要請を受けて自分の支援者に秋野氏への支援を呼び掛けている。「なんとか選挙区で小田原氏を勝たせたいからやっている」。
だが協力態勢には連立与党の時と微妙な違いもうかがえる。自民党1区支部の関係者は「昨年の衆院選と違い、今回は公明党側に(比例で協力できる)支持者名簿を渡すことまではしてない」と明かす。
大分、別府両市以外では多くの自民党県議と公明党関係者が来春の県議選を含めた協力関係を構築したが、「小田原氏支援をお願いしたのは地元の公明党幹部だけ。どれだけ浸透するか分からない」(自民党県議)との声もある。
1日の個人演説会では公明党が賛成する選択的夫婦別姓の導入などに小田原氏が反対を唱えて、公明党関係者が渋い表情を見せる場面もあった。
急造の野党協力がどれだけ力を発揮するのか。見通しは不透明だ。
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