国会閉幕を受け与野党は16日、第22回参院選に向けた事実上の選挙戦に入った。政権交代後初の本格的国政選挙で、鳩山前政権も含め民主党政権9カ月の実績が問われる。発足直後の菅政権にとって有権者からの初審判。共同通信の集計では選挙区、比例代表合わせ418人が立候補を準備している。政府は夜の臨時閣議で「6月24日公示―7月11日投開票」の日程を正式決定した。
大分選挙区(改選数1)には▽民主党現職で厚生労働政務官の足立信也氏(53)▽自民党新人で元外資系証券会社員の小田原潔氏(46)▽共産党新人で党県委員の山下魁氏(33)の3人が立候補する予定。再選を目指す足立氏に小田原、山下両氏が挑む構図になっている。
足立氏は民主党県連の組織と個人後援会に加え、推薦する連合大分が基盤。政府での実績を訴えるが、地元での活動が週末に限られてきたため、浸透が遅れている地域がある。菅内閣の発足後に世論調査で内閣と党の支持率が急速に回復したことを追い風に無党派層への支持拡大を目指す。社民党県連合は党の連立離脱後も候補を立てない「実質的な支援」を続ける方針だが、微妙な距離感もある。
小田原氏は自民党県連の候補者公募で1月末に選出された。県内全域で街頭演説を重ねて懸命に知名度アップに努めている。県連は衆院の3選挙区ごとに選対を設けて国会議員と県議、市町村議の支持基盤から浸透を図るが、野党転落で組織力は低下している。民主党支持や中立に転換する一部の業界団体の動きも痛手になっている。公明党との協力関係づくりはまだ一部の地域にとどまっている。
山下氏は国政選挙に4回目の挑戦。党の支持組織を基盤に、街頭演説やミニ集会で民主党中心の連立政権の問題を訴えて、若さもアピールしながら党の比例票の拡大も狙っている。ただ二大政党と新党の間で埋没しかねないとの懸念もある。
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