支持を訴える山下魁候補=28日午後、中津市内
対話集会で政策訴え
「大企業と米国に物を言い、33歳の『若い力』で政治を変える」。6月28日、参院選大分選挙区の共産党新人、山下魁候補(33)は中津市内の住宅地でいっそう大きな声で支持を訴えた。演説後には有権者の元へ笑顔で駆け寄り、一人一人と固く握手を交わした。
国政への挑戦は今回で4度目。2007年の参院選で約3万7千票を獲得。別の候補を立てた04年参院選から9千票以上伸ばして党勢退潮に歯止めをかけた。林田澄孝県委員長は「4度の挑戦で知名度はある。共産党の従来のイメージを若さと誠実さで変えることができる候補」と太鼓判を押す。無党派層や若者に食い込み、比例票の掘り起こしにも期待する。
選挙戦では小学校区単位で開く少人数の「対話集会」を重視。著名人や党幹部は呼ばず、有権者の声にじっくり耳を傾ける活動を続ける。山下氏は「選挙は勝ち負けも大事だが、政策を広く訴えることのできる場でもある」として有権者に党の政策を理解してもらおうと懸命に訴えている。
共産党は1998年参院選で消費税引き下げを主張し、過去最多の議席を獲得した。今回も消費税が争点に浮上したが、国が巨額の借金を抱える中、「今回は増税反対の世論が思ったほど盛り上がらない」(党大分市議)と微妙な雰囲気の違いも感じている。組織内では二大政党間での埋没を危惧(きぐ)する声や「若い無党派層に訴える明確な戦術がない」など情報発信力不足を反省する声も上がる。
実現可能な政策をどれだけ多くの有権者の耳まで届けることができるのか。手法の模索は続く。
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