握手をする小田原潔候補=28日午後、大分市
「期待」示す総裁遊説
「まっとうな日本に戻そう。景気回復、国の借金、外交・安全保障は待ったなしだ」。25日、参院選大分選挙区の自民党新人、小田原潔候補(46)は大分市中心部で降りしきる雨に負けじと声を張り上げた。2月から続けた「つじ立ち」で顔はすっかり日焼けした。
駆け付けた谷垣禎一党総裁は「この人なら新しい自民党をつくれると公認した」と外資系証券会社を辞めて選挙に挑む小田原氏の清新さをアピール。演説後、2人とも聴衆の中に駆け込んで握手して回った。
「大分入りは党本部の提案。野党になっても総裁遊説は別格だ」。阿部英仁県連幹事長は党本部の期待を感じ、表情を引き締めた。
昨年の衆院選の「県内3選挙区全敗」から再起を期す戦い。公募で小田原氏を選び、知名度アップを図ってきた。公示直前に連立与党時代に選挙協力を続けてきた公明党の支援を取り付け、戦う態勢は整った。
だが野党転落も影響した組織力の低下は不安材料だ。大分3区内の地域支部関係者は「これまでの国政選挙と違って市町村ごとの後援会をつくらず、得票活動のノルマもない。自民党の強みだった組織選挙が機能していない」と指摘する。
「県議、市町村議の動きには、まだ地域によって濃淡がある」(県連幹部)と組織全体で危機感を共有できていないことにいらだちの声も聞こえる。
報道機関の世論調査で「現職先行」が伝えられた27日夜、国東市内の個人演説会で岩屋毅県連会長は「追いつける差だ。必ず追いつき追い越せる」と訴えた。「新生自民党」も有権者の審判を受けることになる。
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