当選を決め、笑顔で支援者と握手をする足立信也さん=11日午後10時9分、大分市内のホテル
一つの議席を3人で争った参院選の大分選挙区。有権者の信任を勝ち得たのは、社会保障の充実を強く訴え続けた民主党現職だった。窮迫する国家財政。これから消費税の増税論議が本格化し、“宿題”として日本の経済成長、普天間飛行場の移設問題、政治とカネの問題などが目の前に横たわる。11日、大分県民は足立信也さんを再び国会へと送り出した。
「やった!」。午後9時半すぎ、当選確実のニュースが流れると、祝勝会場の大分市内のホテルは割れんばかりの拍手。支援者約200人と一緒に緊張した面持ちで開票速報を見詰めていた足立信也さんは両手を上げて応え、「ほっとしました」と笑顔を見せた。
会場は総立ちで万歳三唱。「勝ったぞ」コールを繰り返して喜び、嶋崎龍生連合大分会長や釘宮磐大分市長、浜田博別府市長、国民新党参院県第1支部の後藤博子支部長らが祝福した。
多忙な厚生労働政務官として臨んだ2度目の選挙。足立さんは「出遅れはあったが、皆さんが先頭に立って戦いを展開してくれた」と感謝。「官僚依存から政治主導に変える取り組みを前に進めよう、という県民の思いがあった」と勝因を挙げ、「この国がどうあるべきかを勉強し直して、さらに高みを目指したい」と決意を述べた。
大分市内の選挙事務所で開票を見守った山下魁さん。2度目の参院選挑戦で得票数は前回を大きく上回り、「支持の広がりを感じた」。支援者に「消費税の増税阻止、沖縄の負担軽減などを今後も訴えていく。次の国政選挙に向けて頑張りたい」とあいさつした。
小田原潔さんは午後9時40分すぎ、支援者が待つ大分市内のホテルに姿を見せた。深々と頭を下げた後、「わたしの力不足。結果に悔いはない。真摯(しんし)に受け止めたい」と敗戦の弁。今後については「今はまったく考えていない。信念に変わりはないが、一人で決められることではない」と明言を避けた。
※無断転載を禁じます。 当ホームページに掲載の記事、写真等の著作権は大分合同新聞社または、情報提供した各新聞社に帰属します。