焼け残ったブロック塀などを頼りに、土地境界線を調べる関係者=16日
別府市光町の大火で、焼け跡の土地境界線を確定するための測量作業が16日、現地で始まり、地域の復興へ向けて動きだした。
重機でがれきを撤去すると建物の基礎やブロック塀などもなくなり、個々の土地境界線が分からなくなるため、がれき撤去に先立って実施した。
この日は土地家屋調査士3人と技師6人が3班に分かれて作業。土地所有者の立ち会いの下、焼け残った構造物を頼りに境界線の現状を測量。がれきに埋まっている場所では、重機で掘り起こしながら調べた。
18日までに全区画を測量し、仮の測量図を作成。その後も土地の権利書などと照合しながら測量を重ね、正式な測量図を作る。土地境界線について土地所有者の合意が得られれば、がれきの撤去に入る。
築15年の自宅を全焼し、測量に立ち会った御手洗孝雄さん(73)は「家や思い出の品が焼けてしまって悲しいが、復興への第一歩が始まってうれしい気持ちもある」。一方、全焼した一画に竹製品の工場を持っていた住民は15日から自費でがれきの撤去を始めた。「費用は掛かるが、火災のため3月末まで延ばしてもらった納期を守らなければならない」と復旧を急いでいた。
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