実況見分する別府署員=18日午前10時24分、別府市野口中町の「タイニーながみアパート」
激しい炎がまたしても泉都の住宅密集地を襲った。18日未明、別府市野口中町で発生したアパート火災。「異常事態だ」「何でこんなに火事が続くのか」「怖くて眠れない」。鳴り響く消防のサイレンに、市民は不安な朝を迎えた。
鎮火後の午前7時すぎ。全焼したタイニーながみアパート(木造2階建て)の1階の部屋から、1人の遺体が見つかった。別府署によると、その部屋に住む水上勉さん(45)と連絡が取れなくなっている。
水上さんは身体障害者だった。10年前ほどに同アパートに移り住み、2005年に妻を病気で亡くしてからは一人暮らしを続けていた。寡黙な性格で近所付き合いはほとんどなかったという。
「(水上さんは)以前から電動車いすを使用していたが、最近は寝たきりの状態だった。ほとんど外出することもなかった」と、ホームヘルパーの女性(42)。
水上さんを介護するため1日に2度、交代で部屋を訪れていた。「火事と聞いて慌てて駆け付けた。本人も火には気を付けていたのに…とにかく今はショックです」。女性は無念そうに語った。
別府署は遺体の身元確認を急いでいる。同アパートを経営する市内の永見愛治さん(55)は「年に1~2回、家賃の徴収などで訪れる以外は(水上さんと)会うことはなかった。残念でならない」とつぶやいた。
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