メガソーラーの建設予定地の一つ湯布院町塚原の市有地
景観、環境新たな問題 意見が分かれる住民
8年前の市町村合併で誕生した由布市は市域が広がり、特色や事情は地域ごとに異なる。自然との共生や農と観光の循環型まちづくりを掲げ、住民と行政が一体になって「由布院ブランド」を育て上げた成功例があるが、生命線ともいえる景観と環境をめぐり新たな問題が浮上している。
挾間町七蔵司で進む場外舟券売り場「ミニボートピア」の建設計画。治安悪化や交通量増加などを心配する地元小学校の保護者らが反対しており、「計画地だけでなく、もっと幅広い地域の声も聞いてほしい」などと市に要望してきた。一方で、過疎化に悩む地域を発展させる好機にしたいと願う住民もいる。
国の設置条件の中で残るは市長の許可のみ。市は保護者らに説明会開催やボートピア視察を提案しており、「推進、反対の両者が話し合う場にこぎ着けたい」と担当者。計画浮上からすでに2年以上がたち、住民には疲労の色もにじむ。
自然豊かな景観が売りの湯布院町塚原ではメガソーラーの建設計画が相次いで浮上。移住してきた新住民は「美しい景観を守るべき」、古くからの住民は「管理に悩む土地の有効活用になる」と意見が分かれる。
パネル設置を規制する法律や条例がない中、市は事業者に対する指導要綱を4月に施行。建設を管理するための措置を講じた。双方が歩み寄りの道を模索する中、同所の50代男性は「行政には市民の思いに寄り添ってほしい」と願う。
どちらの問題も合意形成までには長期化が予想される。地域ごとの特色や事情を市政にどう反映させていくのか。地域目線で問題と向き合うことが求められている。
(27日、20時より開票速報を行います。)
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